夏の風物詩ともいえる「川床」。
特に関西圏の人ならすぐに情景が浮かぶかと思います。
そういえば関東に引っ越してから川床って聞かないです。
そういえば、「川床」って何て読むのか、悩んだ方も多いのではないでしょうか?
「かわゆか」?「かわどこ」?
どっちでも間違いではないようですが、実は設置する地域で読み方が変わります。
京都に怒られないためには「かわどこ」となります。
そんな不思議な読み方について詳しく調べてみました。
川床の正しい読み方とその背景
川床とは、蒸し暑い京都の夏を快適に過ごすために、川沿いにある料理店が設置する屋外の席を指します。
その起源は安土桃山時代にまで遡るとされ、今日に至るまで、京都の夏の風物詩として親しまれ続けています。
川床をgoo辞書で調べてみました。
かわどこ
川の流れる所の地盤。
川底となる地面。
河床 (かしょう) 。
かわゆか
納涼のため川の流れに張り出して設けた桟敷。
多く、京都四条近辺の河原に設けるものをいう。
ちなみに俳句の季語は「夏」です。
こうしてみると、読み方で意味が変わってきますね。
しかし、京都では地域で読み方が異なります。
上木屋町通~先斗町通~西石垣通~下木屋町通 の鴨川沿いのエリア
こちらのエリアでは「かわゆか」と読むことが多いですが、どちらかというと、鴨川沿いの川床は「納涼床(のうりょうゆか)」と呼ばれます。
鴨川の「ゆか」呼びは、川に高床を設けるため、そう呼ばれるようです。
京都鴨川納涼床協同組合というところが、毎年このエリアの川床を管理しています。
鴨川の納涼床は申請制で、2024年は89店舗が納涼床を実施していました。
ちなみに各エリアの読み方は
上木屋町(かみきやまち)
先斗町(ぽんとちょう)
西石垣(さいせき)
下木屋町(しもきやまち)
京都の地名、むずかしい
貴船(きぶね)・高雄(たかお)エリア
どちらも京都の奥座敷とよばれるこのエリアでは「かわどこ」と読みます。
こちらは”床の間”が川床の由来となっているため、「かわどこ」と呼ぶようです。
こちらのエリアは鴨川沿いエリアより、少しリッチな印象です。
歴史から見る川床
江戸時代、当時の納涼床は浅瀬に床机をそのまま置いたり、張り出し式や鴨川の砂洲に床机を並べたものを「河原の涼み」と呼んだそうです。
一方、貴船の川床は大正時代です。仏教の修行者たちが涼むために、足などを川で洗っている際に、お茶や食べ物などでおもてなしをしていたのが始まりと言われています。
京都の川床を訪れる
京都の川床は大きく3つのエリアに分けることができます。
アクセスのよい鴨川沿い、真夏でも涼しく過ごすことができる貴船、京都の奥座敷と呼ばれる高雄です。
この3つのエリア以外にも、洛北にも「渓涼床」と呼ばれる納涼床があります。
それぞれの川床の特徴と代表的な公共交通機関を使ったルートを紹介します。
ちなみに京都のバスは基本ぎゅうぎゅう詰めを覚悟しておくと後悔しません
京都市内(鴨川沿い)エリア
その年によって開催期間は異なりますが、おおよそ5月から9月末までの4か月間で実施しています。
鴨川の納涼床では、和食の他にフレンチやイタリアン、中華、居酒屋風、タイ料理、カフェなど、多彩なジャンルの料理を楽しむことができます。
昼のランチタイムのみの営業や夜のみ、昼夜通して営業など、店舗によって営業時間が異なります。
人数やシーンに応じて選べるお店が多く、初心者でも気軽に訪れやすいのが魅力です。
さらに、京都の中心部に位置しているため、アクセスの良さも抜群です。
【京都駅からのアクセス】
- 地下鉄烏丸線「四条」駅で阪急電車に乗り換え、「河原町」駅で下車
- 地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅で地下鉄東西線に乗り換え、「京都市役所前」駅下車
- 市バス205系統で「河原町五条」・「四条河原町」・「京都市役所前」のいずれかで下車
京都のあちこちめぐるなら
地下鉄・バス1日乗り放題券(1100円)もおすすめ
(JRと一部除く)
貴船エリア
貴船の川床は、叡山電車に揺られて北へ進み、貴船神社のすぐ前にある貴船川沿いに広がっています。
川のすぐそばに川床が設けられており、京都中心部に比べて気温が約10度低く、避暑地としても人気です。
真夏のかなり暑い日でも、貴船なら涼しく快適に川床で過ごすことができます。
水しぶきの音を間近で楽しみながら、鮎や鱧といった料理を味わえる貴船の川床は、観光客にも大変人気があります。
手を伸ばせば届く距離に川が流れており、他のエリアより川を近くに感じることができます。
ただし、奥座敷というだけあって実は京都駅からのアクセスは少し複雑です。
京都駅からは1時間以上かかるので、要注意です。
【京都駅からのアクセス】
- 地下鉄烏丸線「国際会館」駅で降りて、徒歩で「国際会館駅前」バス停へ
京都バス52系統に乗り、「貴船口」で下車 - JR奈良線「東福寺」駅で京阪本線に乗り換え、「出町柳」駅で下車
叡山本線に乗り換えて、(途中で鞍馬線に切り替わる)「貴船口」駅で下車
高雄エリア
京都市内から西へ1時間ほど進むと、青もみじに囲まれた高雄エリアに到着します。
高雄の川床は屋根付きなのが特徴で、街中の鴨川納涼床とは異なるリゾート感を味わうことができます。
貴船よりさらに遠方になるので、京都駅からは1時間半程度掛かります。
【京都駅から】
- JRバス高雄・京北線で「高雄」または「槇ノ尾」で下車
JRバスだけど京都駅~栂ノ尾間の均一区間内は
地下鉄バス一日券(1100円)が使えるようです
京都以外だと川床はどこで楽しめる?全国の川床スポット
京都以外でも川床を楽しめる地域が国内でぽつぽつとあります。
【岐阜県】
通年ではなく、2023年に3日間限定で開催されていました。
長良川の風物詩である鵜飼を川床の特別な席から観覧しながら楽しめたようです。
料亭が作るお弁当に舌鼓を打ちながら、芸者の舞や遊びも同時に楽しめました。
【福井県】
加賀温泉郷・鶴仙渓では4月から11月末までの間で川床が楽しめます。
対象の川床弁当をテイクアウトすれば、川床で食べることができます。
席料が300円(2024年)必要となりますが、加賀棒茶が付いてきます。
なお、600円で席料+加賀棒茶+スイーツのお得セットもあります。
また、付近にある山中温泉のお宿の宿泊客は100円引きで川床を利用できます。
【静岡県】
伊豆の宿泊施設「水のみち 風のみち 湯ヶ島 たつた」では、本格的な川床を楽しむことができます。
こちらは1年中利用することができ、冬場はこたつ席に変わります。
また、屋根付きのため雨の日も安心です。
【兵庫県】
「囲炉裏の宿 豊楽」では、7月から9月中旬までの期間で川床が楽しめます。
その年によって、多少期間が前後するようです。
宿泊プランの中の川床プランを選択することで、限定の会席料理を楽しむことができます。
まとめ
夏の風物詩の「川床」、でも意外と読み方が分からなくなりますね。
夏の時期に京都に行くと、川沿いが大賑わいで一度は体験してみたい行事のひとつです。
より本格的な川床を求めるなら、貴船もしくは高雄がやはりおすすめです。
調べてみると京都以外にもちらほらやっている地域はあったので、京都以外で楽しむのもまたよしですね。